サイドスローでスローカーブを投げる方法

スローカーブを投げたいサイドスロー投手「スローカーブを投げれるようになりたいな。投げれるようになったら緩急は当然使えるようになるし…何よりインパクトがあるから、相手チームの頭の中にスローカーブがあると印象付けれたら余計にタイミング取りづらくなって有利に攻めることができそう。メリットが多そうだからスローカーブの投げ方を教えてください。」
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- サイドスローでのスローカーブの投げ方を学習する
近年日本の野球界で緩急を付けるためによく使われる変化球として「チェンジアップ」があげられます。
しかし、サイドスロー投手の場合…
- 上から投げるピッチャーと比べて、縦の変化量が少ない
- 一般的に多い「OKの握り(サークルチェンジ)」の場合、腕が横振りのサイドスローはすっぽ抜けやすくなる
上記のような理由から、チェンジアップを持ち球として実際に試合で投げている投手は少なく感じます。
そこで、緩急をもっと使いたいというサイドスロー投手にチェンジアップの代用として「スローカーブ」はどうでしょう。
カーブ独特のリリース直後浮き上がる軌道で相手バッターの目線を上に持って行けますし、サイドスローという投げ方で比較するとチェンジアップよりもスローカーブの方が暴投になるリスクは低く、操りやすいというメリットもあります。
そこで今回は、サイドスローでスローカーブを投げる方法についてわかりやすく解説していこうと思います。
サイドスローでスローカーブを投げる手順

今回はサイドスローでスローカーブを投げれるようになるために下記の順で解説していきます。
- ①:サイドスローのスローカーブの握り方
- ②:サイドスローのスローカーブの投げ方
それではさっそく見ていきましょう。
①:サイドスローのスローカーブの握り方
正面から見たスローカーブの握り

反対側から見たスローカーブの握り

上から見たスローカーブの握り

横から見たスローカーブの握り

サイドスローのスローカーブの握りは上の写真の通りになります。
握りに関するポイントは3つです。
- ①:人差し指と中指を縫い目にかける
- ②:ボールの片側だけを浅く握る
- ③:力はまったく入れない
①の縫い目についての補足ですが、親指を縫い目に「かける」か「かけない」かは自由です。
自分が投げやすいと感じる、感覚の良い方を選んでください。
握りの理由と狙いを解説します
上記した握り方を変更する理由と狙いは次の通りです。
- ①の理由と狙い:回転をつけやすくするため
- ②の理由と狙い:握りを不安定にするため
- ③の理由と狙い:抜けやすくするため
②について分かりづらいと思うので、もう少し深堀りして解説します。
③のように、まったく力を入れない状態で②のように、ボールの中心から半分だけを浅く握ると…はたいたり、つついたりというように外部から少しでもボールに力を与えるだけで簡単にボールが落ちてしまいます。
このような不安定な握りだからこそ、力を入れて腕を思いっ切り振ってもボールにその力が伝わりにくく、球速の遅い変化球が投げれるようになります。
②:サイドスローのスローカーブの投げ方

サイドスローのスローカーブの投げ方のポイントは3つです。
- ①:腕を振り始めてから終わるまで手首は、立てた状態を維持する
- ②:球速を落とそうという意識が無意識に投球フォームに出る場合がある
- ③:ボールは親指と人差し指の間から出るように投げる
特にポイントとなるのが、①の「腕を振り始めてから終わるまで手首は、立てた状態を維持する」です。
数年前に巨人とメジャーで活躍された桑田投手がカーブの投げ方について、以前テレビで下記のように解説されておられました。
- まず、カーブは1番むずかしい変化球である
- 理由は、ボールを投げると最後に手のひらは外を向いてしまうが、カーブだけ手のひらは外に向いては投げれない
- 具体的には、カーブを投げるには手のひらを自分に向けて投げる
- つまり、カーブだけストレートやほかの変化球と腕の動きが違う
- だから、カーブは1番むずかしい変化球である
しかし、桑田投手が解説された上記のポイントは、オーバースローやスリークォーターといった上から投げる投手へ向けたものになるので、1点だけ注意が必要です。
オーバースローやスリークォーターと違い、サイドスローで「手のひらを自分に向けて投げる」というのは…角度の観点から、手首を無理して内側に曲げた状態であるという点です。
この状態でスローカーブを投げるのは無理があるので、手首は無理のない程度に立て、外に向かないように腕の向きを維持して投げましょう。
そして投げる際に注意したいのが②の「球速を落とそうという意識が無意識に投球フォームに出る場合がある」という点です。
スローカーブのような遅い変化球を投げる場合、投げる際に球速を落とそうという意識が働いて、腕を振るスピードが遅くなったり、投球フォームがストレートと全然違うものになるといった投手がいます。
しかし、ストレートと遅い変化球でいくら球速差を付けても…相手に球種がわかってしまったら意味がありません。
逆に来ることが分かっている球速の遅い変化球は、しっかり変化を目で確認されてしっかり打たれるので、確実に長打を打たれてしまいます。
球速が出ないように握りを不安定な状態にしているので、ストレート以上に腕を振って投げることが大切です。
さらに詳しいスローカーブの投げ方についての参考書籍をまとめておきます
まとめ

最後にサイドスローのスローカーブの投げ方についてまとめます。
- ボールの片側だけを浅く握る
- 握る際に力はまったく入れない
- 腕を振り始めてから終わるまで手首は、立てた状態を維持する
- 球速を落とそうとして無意識に投球フォームがストレートと変わる出る場合がある
- 親指と人差し指の間から出るように投げる
こんな感じです。
ここまでサイドスローでスローカーブを投げる方法を解説しましたが、いかがだったでしょうか。
試合中に他の球種と比較して球速が明らかに遅く、軌道もまったく違うスローカーブを見せられると…相手バッターは多投されなくても、かなりインパクトがある変化球なので、どうしても頭に残ってしまいます。
ストレートと組み合わせてかなり球速差のある緩急を付けるだけでなく、他の変化球とスローカーブを組み合わせて変化球同士で緩急を付けて攻めるといったワンランク上の緩急を使ったことも可能です。
サイドスローと言えば、どうしても「横の変化で勝負」と考えがちになってしまいますが、スローカーブを駆使してさらに「奥行きを使って勝負」が出来るようにしてみませんか。