右サイドスロー投手が左打者を抑える方法4選【左サイドなら右打者】

ピッチング

左打者対策について悩んでいる右サイドスロー投手「右打者を相手するのは得意だけど、左打者にはめっちゃ打たれるなぁ…左打者からしてみれば、右のサイドスローは球が見やすいから仕方ない面はあるかもしれないけど、もっと抑えれるようになりたいです。右サイドスロー投手の左打者対策について教えて下さい。」

こんな疑問に答えます。

本記事の内容

  • 右サイドスロー投手が左打者を抑える方法について学習する
  • 左サイドスロー投手が右打者を抑える方法について学習する

サイドスロー投手がとても苦手なのが、利き腕と反対の打者(右サイドスロー投手なら左打者、左サイドスロー投手なら右打者)です。

その理由が、ボールが遠くから近づいてくる軌道で向かってくる上に、球速が出にくい投げ方なのでとても対応がしやすいという点があげられます。

実際にプロ野球でも、右のサイドスロー投手が先発する際には、通常のスタメンではなく左打者を多く並べて対策をするといったケースも多く見受けられます。

しかし投手側からしてみれば、そう何度も簡単に打たれ続ける訳にはいきません。

そこで今回は「右サイドスロー投手が左打者を抑える方法」と、同様に「左サイドスロー投手が右打者を抑える方法」について解説していこうと思います。

右サイドスロー投手が左打者を抑える方法4選【左サイドなら右打者】

今回は右サイドスロー投手なら左打者、左サイドスロー投手なら右打者を抑えるための方法について解説します。

具体的な内容については下記の通りです。

  • ①:ストレートはアウトコース中心
  • ②:インコースへのカットボール
  • ③:バックフットスライダー
  • ④:外へ逃げる変化球(シンカー系の変化球)

それではさっそく解説していきます。

①:ストレートはアウトコース中心

サイドスロー投手が投げるストレートは、オーバースローやスリークォーターといった上から投げる投手のストレートと比較してシュート方向にナチュラルに変化するという特徴があります。

そのため「右サイドスロー投手vs左打者」「左サイドスロー投手vs右打者」の場合、アウトコースのストレートは外に逃げる動きを見せるので、他の投げ方と比較してバットの先に当たって打ち損じる可能性が高くなるといえます。

ここで大切なのがコントロールミスをしないこと。

「右サイドスロー投手vs左打者」「左サイドスロー投手vs右打者」の構図は球の出どころや軌道が見やすい上に、サイドスローという投げ方自体が球速の出にくい投げ方なので、コントロールミスをしてしまうと打たれてしまう可能性が高まります。

右サイドスロー投手なら左打者の、左サイドスロー投手なら右打者のアウトコースへきっちり投げれるようにしましょう。

②:インコースへのカットボール

「右サイドスロー投手vs左打者」「左サイドスロー投手vs右打者」の構図でサイドスロー投手がカットボールを投げるのは非常に有効です。

カットボールは、ストレートとほぼ同じスピードで打者の手元でボール1・2個分スライドする変化球ですが、ストレートがナチュラルにシュートするサイドスロー投手がストレートとカットボールを投げ分けることにより…ほぼ同じスピードで左右逆方向への変化を投げ分けることができようになります。

特にインコースへのカットボールは、サイドスロー独特の遠くから来る軌道から食い込んでくるので、さらに高い威力を発揮します。

サイドスローのカットボールの投げ方については下記にまとめましたので、興味のある方は参考にどうぞ。

③:バックフットスライダー

まず「バックフットスライダーなんて聞いたことがない」という方も多いと思うので、どのようなスライダーなのか解説します。

バックフットスライダーとは

右投手なら左打者(左投手なら右打者)と対戦する時に、投手から見て打者の後ろ足(back foot)の方向に向かって曲がっていく低めのストライクからボールになるスライダーのことを「バックフットスライダー」言います。

このバックフットスライダーは、他の投げ方と比較して変化量が大きくなりやすいサイドスロー投手にとってとても効果的なスライダーの活用法になります。

サイドスロー投手がバックフットスライダーを投げるメリット

  • インローのストライクからボールになるゾーンは「バッターの泣き所」と言われるほど見極めが難しいゾーンで、空振りが取りやすい所である
  • サイドスロー投手のストレートとスライダーは途中まで軌道がほぼ同じなので、ストレートかスライダーなのか見極めがしづらい
  • 横に大きく曲がる変化球が自分に向かって来るので、バッターの頭に残りやすい
  • バッターはインコースの意識が強くなるため、アウトコースが攻めやすくなる

このボールを投げ切ることができるようになれば、狙って三振が取れる確率が上がるので、三振を取りたいピンチの場面でとても力になってくれます。

アウトローのボールからストライクになるスライダーはどうか?

バックフットスライダーとは別に、もう1つサイドスロー投手が「右サイドスロー投手vs左打者」「左サイドスロー投手vs右打者」の構図で三振を狙いたい時の選択肢として「アウトローのボールからストライクになるスライダー」があります。

空振りが取りやすいバックフットスライダーと違い、外に大きく外れた所から急激に曲がってストライクになるのでバッターは反応が出来ず、見逃し三振が取りやすい選択肢といえます。

しかし、ゾーン付近から変化させる他の変化球と違い、外に大きく外れた所からボールが来るので球種が読まれやすいというデメリットもあります。

長打を打たれる可能性は低いのですが、球種が読まれてしまうと…「右サイドスロー投手vs左打者」の場合はレフト前「左サイドスロー投手vs右打者」の場合はライト前にちょこんと合わせられてヒットになることが多いです。

サイドスローのスライダーの投げ方については下記にまとめましたので、興味のある方は参考にどうぞ。

④:外へ逃げる変化球(シンカー系の変化球)

「右サイドスロー投手vs左打者」「左サイドスロー投手vs右打者」という構図でも抑える効果が1番高いのが、シュートやシンカーなど外へ逃げる変化球を投げることです。

この理由について、残念ながら指名はされませんでしたが、数年前にドラフト候補として色々なところで取り上げられた私の先輩(左打者)が当時サイドスロー投手の攻略法について興味深い話をしてくれていたので紹介します。

「右のサイドスロー投手との対戦は、入って来るボールだけ気を付ければいいから楽だけど…相手がシンカーを投げるなら話は別。内外と緩急の奥行きに加えて高めのストレートも脅威になるから全方向に注意しなければならなくなり、難易度は一気に上がって来る。」

同様にヤクルトスワローズで活躍された古田敦也捕手も自身のYoutubeチャンネルでサイドスロー投手のシンカーについて下記のようにお話をされていたので、抜粋して紹介します。

「サイドスローもシンカーは投げるのは難しいが、シンカーを投げれる奴だけがプロの世界で生き残っている。」

古田さんの言う「投げるのは難しい」という点をもう少しかみ砕いて解説すると…

サイドスローの場合、キャッチボールでシンカー方向へ曲がるボールを投げるレベルなら簡単に出来ます。

しかし、カーブやスライダーと比べてシンカー系の変化球はコントロールが格段に難しいので、実際に試合で自由に使えるようなレベルに仕上げるには相当な練習がなので、古田さんは「サイドスローでもシンカーを投げるのは難しい」と表現されていると思います。

ただ、試合で自在に扱えるようになれば、「右サイドスロー投手vs左打者」「左サイドスロー投手vs右打者」の構図でも自分の攻略難易度を一気に上げることができる強力な武器になります。

サイドスローのシンカーの投げ方については下記にまとめましたので、興味のある方は参考にどうぞ。

まとめ

最後に「右サイドスロー投手が左打者を抑える方法」と「左サイドスロー投手が右打者を抑える方法」についてまとめます。

  • 投球の軸はアウトコースのストレート
  • ストレートとカットボールの投げ分けで凡打を狙う
  • 三振を狙う際は、インローへストライクからボールになるスライダー
  • アウトローのボールからストライクになるスライダーもあり
  • 外へ逃げるシンカー系の変化球は覚えたい

こんな感じです。

ここまで右サイドスロー投手が左打者(左サイドスロー投手が右打者)を抑える方法について解説しましたが、いかがだったでしょうか。

サイドスロー投手は投げ方の特性上どうしても球威で押し切るのは難しいので、多彩な球種とコントロールを駆使しつつ、戦略的に攻めて攻略していきましょう。