【特殊な変化球】パームの特徴とは?
パームの特徴を知りたい人「あまり投げる人が少ないパームってどんな変化球なのかな?落ちる変化球であることはわかりますが、それ以外の特徴や投げるメリットについてもっと知りたいので教えた下さい。」
こんな疑問に答えます。
今回のテーマ
パームの特徴を学習する
私は左バッター対策の落ちる球として中学2年生の時にパームを覚えました。
当時はストレートとスローカーブの2種類を右のサイド気味のスリークォーターから投げており、左バッターからしてみれば見やすい上に、入って来るボールしかないため、ことごとく打たれてしまっていました。
しかし、パームを投げるようになってから
- ストレートやカーブとまったく違う方向へ変化をする
- 周りのピッチャーが投げないので、見たことない軌道で向かって来る
上記の理由からその場ですぐ対応が出来ず、左バッターの被打率が格段に下がりました。
しかし、パーム自体プロ野球でもあまり投げる人がいないため、落ちる球とはわかるものの…それ以外にどんな特徴のある変化球なのでしょうか?
そこで今回は、パームの特徴についてわかりやすく解説していこうと思います。
- パームについて知りたい
- 落ちる変化球のコントロールに不安がある
- 指が短くて、フォークなどのはさむ変化球が投げられない
- 他の人があまり投げない特殊な変化球を覚えたい
といった方は最後までどうぞ。
もくじ
パームの特徴とは
まずはパームがどのような変化をする球種なのか解説します。
パームの主な変化の特徴は以下の3点です。
- リリースの際に手のひらで転がすように投げるので、バッターから見た場合、リリース直後にボールがカーブ系の変化球のように少し浮き上がったように見える。
- 回転数が少なく、フォークのように縦に落ちる変化(人やリリースの仕方でスライド系やシュート系の要素が加わることがある)をする。
- チェンジアップのように 球速が遅い部類の変化球になる。
リリース直後はカーブのように見え、チェンジアップのようなスピードで進み、フォークのような落ちる変化をする球種と言えます。
パームのメリット
一般的なパームのメリットとしてネットで情報収集をしてみると、下記の2点がよくあげられます。
- 球速が遅い変化球なので緩急をつけられる。
- 高低の変化が使える。
しかし、実際に投げているからこそ分かる、それ以外にもあるパームのメリットが下記の3点になります。
- ①:遅い変化球の中で、コントロールがつけやすい
- ②:はさめなくても縦の変化が投げれる
- ③:軌道が独特なので急な対応が難しい
順に解説していきます。
①:遅い変化球の中で、コントロールがつけやすい
スローカーブやチェンジアップなどの遅い変化球を投げる際に1番大切なのが、ストレートと全く同じフォームで投げることです。
そして球速の遅い変化球をストレートと同じように投げるための工夫として、変化球の握りを工夫する方法があります。
主に2パターンあり、詳細は以下の通りです。
- ①:抜きやすいように力を全く入れず、不安定な状態で握る
- ②:回転数を減らすために、握りを深くする。
上記のような握りの代表的な例
- ①の代表例:手の形をOKの形にして握るチェンジアップ
- ②の代表例:指の腹までボールにべったり付けて握るスローカーブ
そしてこのような握りをする遅い変化球に総じて言えるのが、コントロールが難しいという点です。
少しでも動きに誤差があったり、タイミングや力配分を間違えると①の場合、リリースの前にボールが抜けてしまう…②の場合、リリースの際にうまく抜けずに引っかかってしまう…といったことが起こってしまうので、最悪ボールがとんでもない方向に行ってしまいます。
※逆にコントロールをよくするために、フォームや腕の振りが緩くなってしまっては、バッターから狙い撃ちされてしまいます。
しかし、パームは手のひらでわしづかみするように握るので、他の遅い変化球と比べて握ったときのボールの安定感がとても高く、他の遅い変化球と比べてコントロールがつけやすくなります。
②:はさめなくても縦の変化が投げれる
フォークのようにはさんで投げる縦の変化球は、指が長くないと投げれません。
特に軟式球の場合、ボールが柔らかいのではさむと握力で変形します。
変形したボールは元の形に戻ろうと反発するので、指が短い人が無理してはさんだ場合、ボールの反発と表面のゴムの影響で余計に指から離れにくく、上手く抜けてくれません。
しかし、パームを投げるには指の長さは関係ありません。手のひらでわしづかみするように握るので指の長さは関係なく、指が短い人でも投げることが出来ます。
③:軌道が独特なので急な対応が難しい
そもそもパームを投げる人自体少ないので、バッターから見ると「不思議な球が来た!」と感じます。
バッターはカーブやスライダー、シュート、フォークなど基本的に、よく使われる変化球の軌道や変化の知識は当然持っていますが、
冒頭で書いた「リリース直後はカーブのように見え、チェンジアップのようなスピードで進み、フォークのような落ちる変化をする」ような独特な軌道でパームは向かって来るので、自分のイメージ通りにボールが来ないことから対応に苦労します。
パームのデメリット
パームの唯一のデメリットと言えるのが球種がばれやすいと言う点です。
- ①:リリースの時に指が見える
- ②:変化するタイミングが早い
上記2点が球種がばれてしまうポイントです。
①:リリースの時に指が見える
パームの握り
上記のようにパームは手のひらと親指・薬指・小指の3本でつかみ、中指と人差し指は立たせた状態で握ります。
そのため、動体視力の優れたバッターからすると、リリースの時に中指と人差し指がボールと離れているところが見えてしまい、球種がばれる可能性があります。
②:変化するタイミングが早い
パームはカーブのように、リリースの直後に浮き上がるような変化をするので、その軌道で球種がばれる場合もあります。
まとめ
最後にパームの特徴についてまとめます。
- 遅い変化球の中で、コントロールがつけやすい
- はさめなくても縦の変化が投げれる
- 軌道が独特なので急な対応が難しい
- 動体視力の高いバッターの場合、球種がばれやすい
こんな感じです。
プロ野球であまり投げる人が少ないのは恐らく、150km/h以上の剛速球も簡単に打ち返せるような動体視力の高い選手ばかりなので、デメリットの割合が高くなってしまうことがあげられると思います。
しかしアマチュアでは、コントロールも付けやすい上に、緩急も付けれて、おまけにバッターも対応しにくい軌道で来るというとても武器になる変化球だと思います。
手の小さい人や指の短い人でも縦に落ちる高低の変化を付けれるようになるのはとても嬉しいですね。
そんなパームの投げ方については下記にまとめましたので、興味のある方は参考にどうぞ。
パームの投げ方【指が短くても投げれる縦の変化球】
縦に落ちる変化球を覚えたいけど、フォークは指が短くて無理。チェンジアップも右バッターの背中の方へ抜けてしまう。 そんなあなたにパームはどうでしょう? 今回は、パームを投げる方法についてわかりやすく解説します。 手が小さい。指が短いといった理由で縦の変化球をあきらめた人は必見です。