【全員150km/h以上投げる投手陣の秘密】魔改造はなぜ成功するのか【読書レビュー】
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発売前からとても話題になっていた本です。
毎年パリーグの優勝候補にあげられるソフトバンクホークスは、他の球団の投手陣と比較して球速が速い投手が多いのが特徴です。
どの投手も150km/hを超える剛速球で打者を圧倒するので、球速アップの秘訣があるのではないかと思い、購入して読んでみました。
もくじ
この本の概要
武田翔太はなぜ伸びた?千賀滉大のどこに注目した?
コーチとして「魔改造」を支え、過程を見つめてきた張本人が全てを明かす。
若い投手がどんどん育つという評判の福岡ソフトバンクホークス。目覚ましい球速アップを果たし、大きな成長を遂げる投手たちの活躍の裏には、ファンの間で「魔改造」と呼ばれるコーチングがある。劇的な成長をもたらす、その「魔改造」とはどんな選手に当てはまる方法論なのか?全員でないとすれば、どのような選手であれば「魔改造」は成功するのか?
著者略歴
倉野 信次
福岡ソフトバンクホークスファーム投手統括コーチ。1974年三重県生まれ。宇治山田高校から青山学院大学に進学し、東都大学リーグ通算41試合に登板、17勝7敗、防御率3.17、154奪三振。3年時には最優秀投手とベストナインに輝く。
96年、ドラフト4位で福岡ダイエーホークスに入団。先発、中継ぎとフル回転で活躍も、2007年に引退。09年に二軍投手コーチ補佐に就任。11年からは三軍投手コーチを務め、19年には一軍投手コーチとして日本一を経験。
読んでみて思ったこと
最初は本のタイトルから球速アップやピッチング技術がメインの本かと思いましたが、コーチングに関することがメインで書かれていました。
本の内容は第1~5章と5つに分けられていますが、書かれている内容を大まかにいうと下記の通りです。
- 第1~4章:コーチングに関すること
- 第5章:球速アップや投手の技術・ケガ・メンタルに関すること
まず、指導者の方は読んで欲しい(特に投手を指導する方は、読んでからでないと指導するな)と言いたい1冊。
割合は少ないですが、個人的に期待していた球速アップに関することもしっかり書かれているので、現役投手にもおすすめです。
また、大きな内容は5章に分けられていますが、章の中でも伝えたいこと数個用意して、その理由を1~2ページにまとめて書いているので「本を読むのが苦手」という野球選手でもすらすら読めます。
メジャーで活躍した上原浩治さんのYoutubeチャンネルでも紹介されていました
動画内では、育成選手として指名されて入団したばかりの千賀投手が球界を代表する投手にまで成長していった過程をお話されています。
Twitter上の声(他の人のレビュー)
私の感想だけでなく、他にもこの本を読んだ方の感想をTwitterで探してみました。
抜粋してご紹介します。
私のハイライト
最後に、個人的に特に印象に残った部分をいくつか抜粋します。
体力が向上し始めたことで、技術練習もたくさん行うことができ、技術の向上に繋がったということもあるのでしょう。それからは、試合で良い結果が出せるようになりました。
私はこのような経験があったので、選手にはまず何よりも「練習についていくための体力」をつけさせることが大事だと考えています。
どれだけ合理的なトレーニングを繰り返したところで、そもそも土台となる体力がなければあまり効果は期待できません。
ピラミッドをイメージして下さい。一番下を「体力」として、その上に様々な「技術」を積み上げていくと考えると、土台の「体力」部分が大きければ大きいほど、ピラミッド全体を大きくできることが理解していただけるでしょう。
中継ぎなら翌日の、先発ならイニング間の回復力が投手のパフォーマンス維持のために必要なのです。
そこで私は、心肺機能を高める目的でのランニングを重視しています。
負けて悔しくないのかと強く問いかけることで、選手を強く奮起させたいと考えていたのです。
昔の自分に追いつこうとする努力も必要ではありますが、「変化は当たり前だ」と受け入れることも同じくらい重用です。筋力や体力が年々衰えていくのは当然のことですし、技術面や精神面についても、昔と変わらないことはないはずです。その事実を受け入れられず、昔の良かった自分に支配されたままでは、成長していくことは難しいだろうと思います。
だから、過去の自分は諦め、今の自分を受け入れることが必要です。
「努力すれば、いつか必ず”どんな形であれ”報われる」
下半身と体幹を鍛えれば球速は上がる
選手の短所には手をつけず、できるだけ目立たないようにするだけで十分なのです。
なぜなら、短所を修正させようとすることで長所も同時に消えてしまい、結局何も残らないということが起こりがちだからです。
投手に遠投は必要不可欠だと考えています。ボールを投げる際の最大出力の感覚を、身体に覚え込ませる効果が期待できるからです。