クロスファイアとは?【サイドスロー投手と相性抜群の武器】

クロスファイアについて知りたい人「野球中継で『クロスファイア』って言葉をたまに聞くけど、どういう意味なのかな?詳しく教えてください。」
こんな疑問に答えます。
今回のテーマ
クロスファイアについて学習する
一般的によく使われる「クロスファイア」とは、左ピッチャーが右バッターのインコースに投げるストレートのことを意味しているいます。
しかし正確にはこれは間違いで、これはテレビの野球中継で映し出される映像の角度の問題から左ピッチャー特有の武器のように表現されていますが…クロスファイアは左ピッチャーだけのものではありません。
右ピッチャーでもクロスファイアは投げる事は可能で、横の変化や角度で勝負するサイドスロー投手なら最大限の効果を発揮することが出来る武器になります。
そこで今回は、そんなクロスファイアについて解説し、さらに深堀りしてより効果を高める技術を紹介しながらまとめようと思います。
クロスファイアとは

クロスファイアの定義は以下の通りです。
野球で、投手が己と対角のコースに投げるストレートのこと。ホームベース上を横切るように通過する。右投手の場合、右打者にとっては自分から逃げるような軌道でアウトコースになり、左打者にとっては自分に向かってくるような軌道でインコースになる。サイドスローの場合はより角度が付くため、有効とされる。左投手の特に投げ手側の端から投じた場合にのみ使われることがあるが、投げ手や立ち位置は特に関係ない。
Wikipedia
わかりやすく言うと…投手の利き腕と反対の打席に立つバッターのインコースに投げるストレート
- 左ピッチャーが右バッターのインコースに投げるストレート
- 右ピッチャーが左バッターのインコースに投げるストレート
上記のことをクロスファイアと言います。
同じストレートでも、横の角度を付けることによって、バッターは芯でボールを捉えることが非常に難しくなります。
クロスファイアを効果的に使いやすいピッチャー
- サイドスロー、もしくはサイド気味のスリークォーターで投げるピッチャー
- 横の変化球が得意なピッチャー(スライダー・シンカーなど)
クロスファイアを効果的に使いやすいピッチャーは上記の通りですが、その中でも特にクロスファイアが最も効果を発揮出来るのが、1番横の角度を付けて投げれるサイドスローのピッチャーになります。
クロスファイアの効果を高める方法

さらに角度を付けてクロスファイアの効果を高める方法を2点紹介します。
- プレートの踏む位置の変更
- インステップ
上記の通りです。順に解説します。
プレートの踏む位置の変更
- 右ピッチャーなら三塁側のプレート
- 左ピッチャーなら一塁側のプレート
プレートを踏む位置を上記の場所に変えるだけで、横の角度をさらに付けることができます。
インステップ
踏み出した足が軸足よりも利き腕側に入り込んだ状態で投げることをインステップと言います。これでさらに横の角度を付けることができます。
インステップで投げるメリット
- 普通にステップして投げるよりも、横の角度を付けることができる。
インステップで投げるデメリット
- 踏み出した足がリリース直前の腰を回す動作を難しくしてしまい、リリース直後の体重移動が不十分なまま投げてしまう可能性がある。
- ひねって投げるため、下半身(特に股関節やひざ)に負担がかかる
私自身が元々、無意識にインステップで投げているのですが、よく「打ちにくそうな角度だ」とほめて頂くことがあります。
逆にインステップでひねる影響で、ひざの痛みに悩まされています。
人によってインステップには向き不向きがあるので、試してみて自分に合うのか合わないのか確認して採用して下さい。
【応用技術】バックフットスライダー

さらに発展した話として、クロスファイアを応用した技術を1つ紹介します。
その名も「バックフットスライダー」です。
このボールをマスターすれば奪三振率が上がります。
しかし、まったく聞いたことがないと言う方も多いと思うのでどんなボールかまず解説します。
バックフットスライダーとは
右ピッチャーなら左バッター(左ピッチャーなら右バッター)と対戦する時に、ピッチャーから見てバッターの後ろの足(back foot)に向かって曲がっていく低めのストライクからボールになるスライダーのことを言います。
バックフットスライダーの効果
- 角度を付けて投げるので、スライダーの変化量が増える
- ストレートとスライダーは途中まで軌道がほぼ同じなので見極めがしづらい
- インコースのストレートに対応するために、バッターはスイングの始動を早くしないといけないので、見極める時間も短い
- インローのストライクからボールになるゾーンは「バッターの泣き所」と言われるほど見極めが難しいゾーンでもある
- バッターはインコースの意識が強くなるため、アウトコースが攻めやすくなる
上記の通り、とても有効なボールです。
クロスファイアを活用して横の変化と揺さぶりで勝負するピッチャーなら投げれるように練習しましょう。
まとめ

最後にクロスファイアについてまとめます。
- クロスファイアは左ピッチャーだけでなく、右ピッチャーでも投げれる
- 横の角度を付けることで、バッターはボールを芯で捉えにくくなる
- 「プレートを踏む位置」や「インステップ」でさらに角度を付けることができる
- バックフットスライダーは覚えるべき
上記の通りです。
右ピッチャーvs左バッター、左ピッチャーvs右バッターの場合、一般的にはバッター有利と言われます。
しかし、横の角度を付けて攻めることで攻略難易度を一気に高めることができます。
また、右ピッチャーvs右バッター、左ピッチャーvs左バッターの場合は背中からボールが来るようになるので圧倒的な強さを見せつけれるはずです。
クロスファイアをマスターして、右ピッチャーなら「右キラー」左ピッチャーなら「左キラー」として試合で大いに活躍してやりましょう。