サイドスローでスラーブを投げる方法

スラーブを投げたい人「カーブやチェンジアップといった遅い変化球を投げたいけど、抜くことができなくて全然投げれないなぁ~。切って投げるスライダーなら投げれるから、スラーブはどうだろう。挑戦してみたいのでスラーブの投げ方が知りたいです。」
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
スラーブの投げ方を学習する
私のピッチングは、1番得意なカット系の速いスライダーとツーシームで芯を外し、内野ゴロで打ち取るスタイルなのですが…遅い変化球のレベルが低く、緩急が使えないという欠点がありました。
欠点を克服するために、カーブやチェンジアップの練習に励みましたが、すぐに変化量が増えるわけもなく…
そこで「抜く変化球が苦手なら、今投げられるスライダーの曲がり幅を大きくすれば、球速も落ちて緩急も付けるのでは?」という発想からスラーブにたどり着き、私のような抜く変化球が苦手なピッチャーでも、思った通り緩急を使えるようになりました。
そこで今回は、サイドスローでスラーブを投げる方法についてわかりやすく解説していこうと思います。
- スラーブを投げれるようになりたい
- 抜く変化球は苦手だけど遅い変化球を覚えたい
- 曲がり幅の大きいボールを覚えたい
- もっとバッターを抑えたい
といった方は最後までどうぞ。
スラーブとは

「そもそもスラーブってどんな変化球?」と思われる方もいらっしゃるはず。
結論から言うと…スラーブとは、その名の通りスライダーやカーブ系統の変化球の1つです。
具体的な特徴をスライダー・カーブと比較して下記にまとめました。
- 変化量(横幅) : スラーブ > スライダー > カーブ
- 変化量(落ち幅): カーブ > スラーブ > スライダー
- 球速(スピード): スライダー > スラーブ > カーブ
上記の通り、横幅の変化量は1番大きく、それ以外の要素はスライダーとカーブの中間といった変化球ですね。
他の特徴として、ボールの軌道はスライダーに似ており、カーブのように浮き上がることはありません。
スラーブを投げる手順

今回はスラーブを投げれるようになるために下記の順で解説していきます。
- ①:スラーブの握り方
- ②:スラーブの投げ方
①:スラーブの握り方
正面から見たスラーブの握り

上から見たスラーブの握り

横から見たスラーブの握り

スラーブの握り方は、ストレートの握りから少し縫い目を傾けた後、人差し指を立てて握ります。
ポイントは3つです。
- ①:親指と中指の第1関節を縫い目を当て、2本の指でボールを握る
- ②:人差し指は立てて、ボールに触れない
- ③:ストレートよりも少し深く握る
変更ポイントの理由と狙いを解説します
上記した握り方を変更する理由と狙いは下記の通り。
- ①の理由と狙い:第1関節に引っかけて回転をつけやすくする
- ②の理由と狙い:親指と中指の間からボールを抜けるようにする
- ③の理由と狙い:球速を下げる
スラーブを投げるには、特に回転を与える①の縫い目の当て方が非常に重要なので、ストレートを握る時と比較してもう少し深堀りします。
ストレートを握る時の縫い目のかけ方

ストレートを握る際はきれいな縦回転を与えるために、人差し指と中指に上の画像の赤線のように平行にかけるように握る。
スラーブを握る時の縫い目のかけ方
①:中指と人差し指の第1関節に縫い目をかけて握る

中指の方が人差し指よりも長いので、両方の第1関節に縫い目をかけて握るには上の画像の赤線のようにななめに縫い目をあてるように握る。
②:親指も第1関節に縫い目をかけて、人差し指は立てる

回転をかけやすいように、親指に位置はストレートと比べて少し深く、第1関節に縫い目をかけます。
この状態で人差し指を立てたらスラーブの握りは完成です。
②:スラーブの投げ方

スラーブの投げ方のポイントは3つです。
- ①:小指の外側をキャッチャーに向けて腕を振る
- ②:親指と中指の間からボールが抜けるようにリリースする
- ③:ストレートよりも球速を出すつもりで投げる
特にポイントとなるのが、③のストレートよりも球速を出すつもりで投げるです。
ここで得れるメリットは下記の通り。
- 球速があまり出ない変化球なので、腕の振りが速いほど球速とのギャップが大きくなり、打ちづらくなる
- 遅い変化球は腕の振りが緩みやすいので、フォームで球種がばれにくくなる
ポイント②は、①で示した通り、小指の外側をキャッチャーに向けて腕の振ることで勝手にできると思います。
さらに詳しいスラーブの投げ方についての参考書籍をまとめておきます。
まとめ

最後にスラーブの投げ方についてまとめます。
- 親指と中指の第1関節を縫い目にかけ、人差し指は立てて握る
- 小指の外側をキャッチャーに向けて腕を振る
- 親指と中指の間からボールを抜くように投げる
- ストレートよりも球速を出すつもりで投げる
こんな感じです。
さらに、スラーブを投げるなら、カット系の速いスライダーを一緒に使うのがおすすめ。
相手ベンチから見ると、変化球は曲がりの大きいスラーブにまず意識が向くので、バッターは打席でスラーブとストレートとの球速差に注意しどちらかに狙いを絞ります。
そこにストレートと球速差の少ないカット系の速いスライダーを投げると…
- ストレート待ちの場合:手元で曲がるので、芯を外され凡打
- スラーブ待ちの場合:同じ方向へ変化させるのでバットにあてさせやすく、球速・球威が上がっているので振り遅れ・球威に押され凡打
という感じで、今まで以上にバッターを打ち取ることができるようになりました。
カット系の速いスライダーの投げ方については下記にまとめてありますので、興味のある方は参考にどうぞ。
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スラーブをマスターして、さらに1ランク上のピッチャーになってください。